2011年7月17日日曜日

7月16日 七月大歌舞伎 夜の部

「菅原伝授手習鑑」

愛之助の梅王丸、孝太郎の桜丸に進之助の松王丸。役の格は松王丸のほうが上なんだろうけど、見せ場は梅王丸のほうが多くて、嬉しい。こういう、時代物の、THE歌舞伎って感じの荒事をちゃんと魅せるって、案外難しいのではないだろうか?型どおりにやれば、カタチになっちゃうものに、気持ちを感じさせるって、なかなかないような気がする(って褒めすぎ?)
まあ、最前列で、すぐ目の前だったから、いろいろよく見えて感動しただけかもしれないけど。これまで、車引は何度も観たけど、正直、あまりいいと思ったことがなかったので、今回は出色だった。
松王丸の進之助、なんだか力が入りすぎてないか?手足がフルフルしてたり、ちょっと幼く見える。顔が全体的に真ん中に寄ってるので、子どもっぽい顔に見えるせいかな。


「伊勢音頭恋寝刃」

通しで観るのは初めて。万次郎の人のよい(けど間抜けな)若旦那ぶりで、話の筋がより分かりやすくなった。

万次郎と万野を演じた秀太郎が、正反対の二役を好演。はんなりした万次郎のかわいらしさと、万野の憎たらしいほどの意地悪ぶりが、一人の役者から出てくるって、凄い!

仁左衛門の貢は、期待を裏切らない格好よさ。前半で万次郎を助ける頼もしさが見られて、余計に男振りが印象づけられたように思う。
凄惨な殺しの場面も、息を呑む美しさで…(最近、殺しばかり観ているような…)

お鹿の弥十郎が!!なんだろう、健気?大きい身体でなんとか可愛らしく見せようとしていじらしいのだが、やっぱりかわいくないのが(だって、あのガタイだよ?)可哀想で思わず笑ってしまう。お鹿って、結構しどころがあるというか、印象に残る得な役だと思うけど、ここまでのものはなかなかないでしょう。

愛之助の林平は、ニンに合って、いい感じ。家来ながら、秀太郎の万次郎を諭すところは、義父子の関係を垣間見るようで、思わずニンマリしちゃった。

時蔵のお紺は、さすがの美しさなのだが、前半の万次郎の件が加わった分、印象が薄くなってしまったのが残念。

梅枝はお岸でも好演。同年代の役者のなかでは、女形として危なげがない(って、変な言い種だけど、ちゃんと女に見えるという意味で)。顔もうりざねがおでキレイだし。

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