2022年4月9日土曜日

4月9日 横浜能楽堂特別公演「三老女 第1回」

「 財宝」
野村万作のシテ、アドは中村修一、内藤連、飯田豪。
アドの3人は初めて見る顔。若手なのか、橋掛かりを歩いてくるところから緊張した面持ち。万作の足取りがおぼつかないのは演技なのだろうが、アドの1人が腰の辺りに手を添える風(多分これも型)なので、あれと思った。そして、やはり少し意識が飛んでしまった…。後ろの席の客が「笑うところがなかった」と言っていたが、ゲラゲラ笑わなくても面白いものは面白いのだけど。
後半、囃子方が入って、賑やかに歌い舞う。最後は2人が腕を組んだ上に万作を乗せて退場…という、ちょっと変わった終わり方だった。

小鼓に大倉怜二郎。少し見ない間に青年の顔になっててびっくり。

「姥捨」
梅若実が体調不良で地頭に回り、シテは梅若紀昌。実はいつもの椅子だけでなく、切戸口から入るのも難しいらしく、地謡座の後ろの扉を開いて舞台に上がるという具合で、かなり心配な様子。移動するのも支えが必要だったみたいだし、途中、目を瞑って休んでいる様子もあった。

そして、姥捨。三老女のなかでは軽めの曲らしいのだが、140分(タイムテーブルには150分とあった)の大曲。特に後場が長い…。後シテの老女の姿になってからの舞で40分くらいあったのではないだろうか。あまり変わり映えのしない動きが続くので、辛かった…。
紀昌は前シテのときはなんだかよかったのに、後シテになってからはピンと来なかった。老女は自ら捨てられた経緯を語るでなく、最後は成仏するでもなく、ワキが先に去って舞台に残されるという展開が、よくわからなかった。老女の哀れさ?

地謡が優しい音づかいでメロディアスだなあと思った。
ワキは福王和幸。後場でも結構シテとの絡みがあり、度々体の向きを変えるなど、比較的することが多いように見えた。
アイは野村萬斎。女が捨てられた経緯をを説明するのだが、たっぷり20分の一人語り。深刻そう。 

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