「天一坊大岡政談」
猿之助は天一坊のような小悪党の役がはまる。吉宗のご落胤を騙ってすましているところと、本性がバレた開き直りとの落差がうまい。伊賀亮の愛之助は久しぶりにちゃんとした芝居を見せてもらった感じ。声がいいし、顔立ちもそれらしく作って、骨太な悪役が似合う。大岡役の松緑とのやりとりなど聞かせた。松緑は語尾の癖が気になったものの、同世代の役者たちががっぷりくんで演じるのはいい。幕切は、悪事が露見して縄をかけられていながら、天一坊の不敵な様子が見えた。
大岡と忠右衛門(左近)の親子が切腹をしようとするところ、肩衣を外したり、着物を肩脱ぎにしたりの所作が揃っていて踊りのよう。さすが親子。
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