「桂川連理柵」
帯屋長右衛門を愛之助、女房おきぬを吉弥。
吉弥のおきぬがいい。ほんと、できた女房で、こんなにいい女房がいるのに出来心で浮気しちゃう長右衛門ってほんと、ダメ男だよなあ…。長右衛門は前半ひたすら耐えているだけなのだが、愛之助の辛抱する姿、よかった。
儀兵衛の千次郎の嫌な奴振り。馬鹿笑いがちょっとくどいように感じたのは、まだ板についていないからなのか。
丁稚長吉とお半を壱太郎。長吉が意外によくて、楽しそうに演じていた。三枚目をちゃんと演じられるのは実力のある証拠。
「口上」
愛之助
第1回は8月で暑く、外の温度計が40度。かつらの油が溶けてしまうので、冷蔵庫で冷やした思い出も。
皿そば、先日41皿食べた。50皿に挑戦したい。できるかなと思っていたが、隣に座っている人(男女蔵)が67皿(?)食べたというのでぜひ。
帯屋は上方の大事な演目。我当の伯父に手取り足取り教えてもらった。我当の伯父は十三世仁左衛門から教えてもらった。こうして伝統を繋げていく。
次は新作で、神の鳥と書いて「こうのとり」と読む。豊岡と言えばコウノトリなので、いつか作りたいと思っていたのがようやく実現した。
男女蔵
永楽館は2回に続いて2度目。出石の人は暖かく、お練りの時にはオメちゃん、オメッティとニックネームで呼んでくれた。
金比羅歌舞伎は2週間あるが、永楽館は5〜6日。来年は2週間、3週間、1ヶ月とやってほしい。
吉弥
上方の大事な演目、帯屋に出られて嬉しい。今回の役は…(と言って、ちょつと言葉に詰まる)今、お半と言いそうになりました(笑)、おきぬはやりがいのある役。話しをもらった時、心配したのは、この座組のなかで一番年上。並んで違和感がないかということ。(「若いよ!」と客席から声がかかる)皆さんどうだったでしょうか(大きな拍手)
「神の鳥」では、傾城柏木の役。大仰なこしらえで登場する。愛之助さんの早変わりや…男女蔵さんも…真ん中にいる(ここでなぜか笑いをこらえる出演者たち)ぜひ楽しんで。
永楽館は客席と一体感のある好きな劇場。一回でも多く出演したいので、愛之助さんよろしく。
壱太郎
帯屋の長吉とお半を演じるに当たり、祖父の藤十郎に教えてもらった。10月は大阪松竹座に出ていたため、一度だけ東京を訪ねて稽古をしてもらった。藤十郎はあまり具体的なことを教えてくれず、抽象的。今回は「こういう役はあまり稽古をしてはだめ」と。長吉のような役は、お客さんに笑ってもらったり、拍手をもらったりして作りあげていくもの。
「神の鳥」
冒頭は寿曽我対面のような、道成寺のようなセットで、真ん中に赤松満祐の男女蔵、上手に傾城柏木の吉弥などが並ぶ。天井からつりさげた籠の中にコウノトリが。
狂言師の右近(愛之助)と左近(壱太郎)がやってきて、舞を披露するなか、早変わりのぶっかえり(?)でコウノトリの精に変身。子どもの吉太郎が加わり、3人の舞に。
最後は暫くのよう。隈どりをした鹿之助に早変わりした愛之助が登場。
踊りあり、早変わりあり、荒事ありの盛りだくさんの舞台で楽しめた。
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