「彦山権現誓助剣」
愛之助の六助に壱太郎のお園。何年か前の、確か浅草歌舞伎でもこの組み合わせだったけど、前回より良くなったような。実は、六助ってあまり格好良くないなあと思っていたのだが、今年は愛之助の歌舞伎をあまり見られなかったせいか、格好よく見えた。愛之助は歌舞伎がやはりいいよ。弥三松のわがままに振り回されて、困った様子もキュートだし。壱太郎も、勇ましい様子から急にしおらしくなるところとか、かわいいさが増していた。毛谷村だけでなく、杉坂墓所もあったので、話が分かりやすいし。
微塵弾正実は京極内匠は男女蔵で、不足のない悪役っぷり。弥三松役の子役がかわいかった。
一味斎後室お幸の吉弥は全く悪くないのだが、もっときれいどころの役で観たいなあ。
「団子売」
愛之助の杵造と壱太郎のお臼。陽気な舞踊でただ楽しく。
大向こうをかけていたおじさん、やたらに「六代目!」と言うのは聞き苦しい。普通に松嶋屋でいいでしょ。こういう軽い芝居なんだし。「ご両人」も、ここぞという1回でいいのでは。
2014年11月22日土曜日
2014年11月12日水曜日
11月9日 文楽公演 第1部「双蝶々曲輪日記」
大宝寺米屋の段の奥を津駒大夫と寛治。
相変わらず、力ないような風情で座っているのだが、三味線の威力は健在。あの体からどうやって力強い音が出てくるのか不思議だ。
長五郎をいさめるため、大芝居をうつお関。
難波裏喧嘩の段
長吉の小住大夫は抜擢なのだろうか?この場でのセリフは少ないとはいえ、一応主役級。精いっぱい努めている感じが、好印象。
橋本の段を嶋大夫と錦糸。
いつものように、見台に突っ伏すような熱演。
八幡里引窓の段
中を文字久大夫と清友、切を咲大夫と燕三。
11月8日 永楽館歌舞伎 夜の部
「桂川連理柵」
帯屋長右衛門を愛之助、女房おきぬを吉弥。
吉弥のおきぬがいい。ほんと、できた女房で、こんなにいい女房がいるのに出来心で浮気しちゃう長右衛門ってほんと、ダメ男だよなあ…。長右衛門は前半ひたすら耐えているだけなのだが、愛之助の辛抱する姿、よかった。
儀兵衛の千次郎の嫌な奴振り。馬鹿笑いがちょっとくどいように感じたのは、まだ板についていないからなのか。
丁稚長吉とお半を壱太郎。長吉が意外によくて、楽しそうに演じていた。三枚目をちゃんと演じられるのは実力のある証拠。
「口上」
愛之助
第1回は8月で暑く、外の温度計が40度。かつらの油が溶けてしまうので、冷蔵庫で冷やした思い出も。
皿そば、先日41皿食べた。50皿に挑戦したい。できるかなと思っていたが、隣に座っている人(男女蔵)が67皿(?)食べたというのでぜひ。
帯屋は上方の大事な演目。我当の伯父に手取り足取り教えてもらった。我当の伯父は十三世仁左衛門から教えてもらった。こうして伝統を繋げていく。
次は新作で、神の鳥と書いて「こうのとり」と読む。豊岡と言えばコウノトリなので、いつか作りたいと思っていたのがようやく実現した。
男女蔵
永楽館は2回に続いて2度目。出石の人は暖かく、お練りの時にはオメちゃん、オメッティとニックネームで呼んでくれた。
金比羅歌舞伎は2週間あるが、永楽館は5〜6日。来年は2週間、3週間、1ヶ月とやってほしい。
吉弥
上方の大事な演目、帯屋に出られて嬉しい。今回の役は…(と言って、ちょつと言葉に詰まる)今、お半と言いそうになりました(笑)、おきぬはやりがいのある役。話しをもらった時、心配したのは、この座組のなかで一番年上。並んで違和感がないかということ。(「若いよ!」と客席から声がかかる)皆さんどうだったでしょうか(大きな拍手)
「神の鳥」では、傾城柏木の役。大仰なこしらえで登場する。愛之助さんの早変わりや…男女蔵さんも…真ん中にいる(ここでなぜか笑いをこらえる出演者たち)ぜひ楽しんで。
永楽館は客席と一体感のある好きな劇場。一回でも多く出演したいので、愛之助さんよろしく。
壱太郎
帯屋の長吉とお半を演じるに当たり、祖父の藤十郎に教えてもらった。10月は大阪松竹座に出ていたため、一度だけ東京を訪ねて稽古をしてもらった。藤十郎はあまり具体的なことを教えてくれず、抽象的。今回は「こういう役はあまり稽古をしてはだめ」と。長吉のような役は、お客さんに笑ってもらったり、拍手をもらったりして作りあげていくもの。
「神の鳥」
冒頭は寿曽我対面のような、道成寺のようなセットで、真ん中に赤松満祐の男女蔵、上手に傾城柏木の吉弥などが並ぶ。天井からつりさげた籠の中にコウノトリが。
狂言師の右近(愛之助)と左近(壱太郎)がやってきて、舞を披露するなか、早変わりのぶっかえり(?)でコウノトリの精に変身。子どもの吉太郎が加わり、3人の舞に。
最後は暫くのよう。隈どりをした鹿之助に早変わりした愛之助が登場。
踊りあり、早変わりあり、荒事ありの盛りだくさんの舞台で楽しめた。
帯屋長右衛門を愛之助、女房おきぬを吉弥。
吉弥のおきぬがいい。ほんと、できた女房で、こんなにいい女房がいるのに出来心で浮気しちゃう長右衛門ってほんと、ダメ男だよなあ…。長右衛門は前半ひたすら耐えているだけなのだが、愛之助の辛抱する姿、よかった。
儀兵衛の千次郎の嫌な奴振り。馬鹿笑いがちょっとくどいように感じたのは、まだ板についていないからなのか。
丁稚長吉とお半を壱太郎。長吉が意外によくて、楽しそうに演じていた。三枚目をちゃんと演じられるのは実力のある証拠。
「口上」
愛之助
第1回は8月で暑く、外の温度計が40度。かつらの油が溶けてしまうので、冷蔵庫で冷やした思い出も。
皿そば、先日41皿食べた。50皿に挑戦したい。できるかなと思っていたが、隣に座っている人(男女蔵)が67皿(?)食べたというのでぜひ。
帯屋は上方の大事な演目。我当の伯父に手取り足取り教えてもらった。我当の伯父は十三世仁左衛門から教えてもらった。こうして伝統を繋げていく。
次は新作で、神の鳥と書いて「こうのとり」と読む。豊岡と言えばコウノトリなので、いつか作りたいと思っていたのがようやく実現した。
男女蔵
永楽館は2回に続いて2度目。出石の人は暖かく、お練りの時にはオメちゃん、オメッティとニックネームで呼んでくれた。
金比羅歌舞伎は2週間あるが、永楽館は5〜6日。来年は2週間、3週間、1ヶ月とやってほしい。
吉弥
上方の大事な演目、帯屋に出られて嬉しい。今回の役は…(と言って、ちょつと言葉に詰まる)今、お半と言いそうになりました(笑)、おきぬはやりがいのある役。話しをもらった時、心配したのは、この座組のなかで一番年上。並んで違和感がないかということ。(「若いよ!」と客席から声がかかる)皆さんどうだったでしょうか(大きな拍手)
「神の鳥」では、傾城柏木の役。大仰なこしらえで登場する。愛之助さんの早変わりや…男女蔵さんも…真ん中にいる(ここでなぜか笑いをこらえる出演者たち)ぜひ楽しんで。
永楽館は客席と一体感のある好きな劇場。一回でも多く出演したいので、愛之助さんよろしく。
壱太郎
帯屋の長吉とお半を演じるに当たり、祖父の藤十郎に教えてもらった。10月は大阪松竹座に出ていたため、一度だけ東京を訪ねて稽古をしてもらった。藤十郎はあまり具体的なことを教えてくれず、抽象的。今回は「こういう役はあまり稽古をしてはだめ」と。長吉のような役は、お客さんに笑ってもらったり、拍手をもらったりして作りあげていくもの。
「神の鳥」
冒頭は寿曽我対面のような、道成寺のようなセットで、真ん中に赤松満祐の男女蔵、上手に傾城柏木の吉弥などが並ぶ。天井からつりさげた籠の中にコウノトリが。
狂言師の右近(愛之助)と左近(壱太郎)がやってきて、舞を披露するなか、早変わりのぶっかえり(?)でコウノトリの精に変身。子どもの吉太郎が加わり、3人の舞に。
最後は暫くのよう。隈どりをした鹿之助に早変わりした愛之助が登場。
踊りあり、早変わりあり、荒事ありの盛りだくさんの舞台で楽しめた。
11月3日 文楽公演 第2部「奥州安達原」
(11月16日の再観劇後加筆)歌舞伎では袖萩祭文を見たことがあったけど、通しで見るといろいろ発見が。ただ、袖萩も傔仗も、恋絹も岩手も死に損?という感じで釈然としない気分…。部分部分は感動的なのだけど、ストーリーに一貫性がないというか、いろいろわけがわからなくてもやもやする。貞任と宗任が主役なのか、敵役なのかも混乱。けどなんか、もう一度見たくなる。
朱雀堤の段
咲穂大夫と清志郎。生駒之助と駆け落ち中の恋絹。おなかに子どもがいるので、この世では生駒之助と添い遂げるが、来世では八重幡姫にお返しするとか、理屈がよくわからん。
環の宮明御殿の段
ひとつの段を4人で語り分けるので、1人あたり15~20分程度?忙しなくて物足りない。もうちょっとじっくり聞いてみたいのだが。
袖萩祭文を呂勢大夫と清治。持病の癪で苦しむ袖萩に自分の着物を脱いで着せかけるお君の健気さが涙を誘う。が、子どもを語る時の声がちょっとかすれ気味で、聞き苦しく感じた。「お前があんまり寒そうで」とか、いろいろ聞かせどころが多いのに。
で、納得できないのが、自害した袖萩と傔仗がずいぶん長いこと生きているのだよ。武士の傔仗はまあ、超人的な力を発揮したのかもしれないが、袖萩なんて、喉をついているのに。いったん舞台をはけてから再登場して、夫である貞任と最後の別れまでしちゃう(そのわりにやり取りはあっさり)なんて。ぶっ飛びすぎていてもうわけがわからない。
道行千里の岩田帯
三輪大夫を筆頭に太夫5人に三味線6人。華やかな舞踊の1幕。生駒之助を遣った勘弥が良かった。物語がかわいそうだったり、むごかったりするので、ちょっと一息。
一つ家の段
中を咲穂大夫と宗助、奥を英大夫と清介。再登場の咲穂大夫。1つの演目でこういう配役はなぜだろう。ちょっと不思議。
安達原の鬼婆伝説がモチーフ。旅人の喉笛にかみついて殺して金銭を奪ったり、腕をちぎったりとスプラッタ満載。ここに訪ねてくる恋絹&生駒之助。苦しむ恋絹のために薬を買いに行くと生駒之助を連れ出すので、ターゲットは生駒之助かと思いきや、一人戻ってきた岩手が恋絹に襲いかかる。誘拐した環の宮の声を回復させるため、胎児の血が必要だとかで、恋絹の腹を割いて血にまみれた胎児を取り出したり(!!)、息つくのを忘れるほどの急展開でついて行くのがやっと。
かと思えば、環の宮は替え玉で、声が出ない病も仮病と分かる。まさかの恋絹は無駄死に?
匣の内侍に化けていた新羅三郎義光が正体を現すとき、女方の人形から立役の人形に持ち替えて、なぜか衣装まで変わっていて、もはや同一人物に見えず…。これ、歌舞伎ならしどころのあるシーンなのではないだろうか。
失敗を悟って自害する岩手。切腹したうえに、刀を加えて谷底に身を投げる。男か。
谷底の段
なぜか、貞任、宗任、義光らが勢ぞろいして、見えを切る。見るには華やかだが、話としては???探していた十握の剣が見つかったからと生駒之助の勘当が解かれるのだけど、それ、恋絹の手柄じゃないのか。
朱雀堤の段
咲穂大夫と清志郎。生駒之助と駆け落ち中の恋絹。おなかに子どもがいるので、この世では生駒之助と添い遂げるが、来世では八重幡姫にお返しするとか、理屈がよくわからん。
環の宮明御殿の段
ひとつの段を4人で語り分けるので、1人あたり15~20分程度?忙しなくて物足りない。もうちょっとじっくり聞いてみたいのだが。
袖萩祭文を呂勢大夫と清治。持病の癪で苦しむ袖萩に自分の着物を脱いで着せかけるお君の健気さが涙を誘う。が、子どもを語る時の声がちょっとかすれ気味で、聞き苦しく感じた。「お前があんまり寒そうで」とか、いろいろ聞かせどころが多いのに。
で、納得できないのが、自害した袖萩と傔仗がずいぶん長いこと生きているのだよ。武士の傔仗はまあ、超人的な力を発揮したのかもしれないが、袖萩なんて、喉をついているのに。いったん舞台をはけてから再登場して、夫である貞任と最後の別れまでしちゃう(そのわりにやり取りはあっさり)なんて。ぶっ飛びすぎていてもうわけがわからない。
道行千里の岩田帯
三輪大夫を筆頭に太夫5人に三味線6人。華やかな舞踊の1幕。生駒之助を遣った勘弥が良かった。物語がかわいそうだったり、むごかったりするので、ちょっと一息。
一つ家の段
中を咲穂大夫と宗助、奥を英大夫と清介。再登場の咲穂大夫。1つの演目でこういう配役はなぜだろう。ちょっと不思議。
安達原の鬼婆伝説がモチーフ。旅人の喉笛にかみついて殺して金銭を奪ったり、腕をちぎったりとスプラッタ満載。ここに訪ねてくる恋絹&生駒之助。苦しむ恋絹のために薬を買いに行くと生駒之助を連れ出すので、ターゲットは生駒之助かと思いきや、一人戻ってきた岩手が恋絹に襲いかかる。誘拐した環の宮の声を回復させるため、胎児の血が必要だとかで、恋絹の腹を割いて血にまみれた胎児を取り出したり(!!)、息つくのを忘れるほどの急展開でついて行くのがやっと。
かと思えば、環の宮は替え玉で、声が出ない病も仮病と分かる。まさかの恋絹は無駄死に?
匣の内侍に化けていた新羅三郎義光が正体を現すとき、女方の人形から立役の人形に持ち替えて、なぜか衣装まで変わっていて、もはや同一人物に見えず…。これ、歌舞伎ならしどころのあるシーンなのではないだろうか。
失敗を悟って自害する岩手。切腹したうえに、刀を加えて谷底に身を投げる。男か。
谷底の段
なぜか、貞任、宗任、義光らが勢ぞろいして、見えを切る。見るには華やかだが、話としては???探していた十握の剣が見つかったからと生駒之助の勘当が解かれるのだけど、それ、恋絹の手柄じゃないのか。
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