昼の部より客席は空いていたけれど、見応えがある場が多く、1部より面白かった。なんで観に来ないかな〜。
「藤川新関の段」
助平の三輪太夫、志津馬の始大夫、お袖の咲甫太夫と、3人の掛け合い。人形の動きがコミカルで面白い。
「竹藪の段」
「岡崎の段」
仇討のため、生まれたばかりの息子を切殺してしまう政右衛門。幼子を抱えて、雪の中を追いかけてくるお谷もよく解らんが、この理不尽なストーリーで泣かせるのは語りの力だなあ。
中の芳穂太夫、次の呂勢大夫と続き、切の嶋太夫が聴かせる。時折、見台に突っ伏すようにして語っていたので、体調が悪いのかと心配になった。単に熱演してただけならいいのだけれど。
切の千歳太夫もよかった。
「伏見北国屋の段」
仇討の関係者が宿で隣り合わせるなんて、というのはさておき、たがいに様子を探りあう心理戦が面白い。
「伊賀上野仇討の段」
見事仇討達成、カタルシス。立ち回りが迫力あって、見ごたえあり。
2013年11月12日火曜日
2013年11月11日月曜日
11月9日 11月文楽公演「伊賀越道中双六」第1部
歌舞伎では「沼津」しか見たことがなかったので、今回通しで観て、初めて仇討ちの次第が分かった。いやはや、こんなに壮大な物語とは。
「鶴ヶ岡の段」
敵討ちの原因を作る場面だけど、一言で言って、志津馬、脇甘すぎ。酒に弱いと注意されていながら、なんで酔っ払うよ。主君をお迎えする大事なところに瀬川がやって来る理由もよく分からん。
義太夫は御簾の奥で、人形使いも皆、顔を隠しての演出。仮名手本忠臣蔵の序幕みたいな感じ?
「和田行家屋敷の段」
正宗を狙う股五郎のたくらみを見事見抜いた行家だが、手紙を読んだ隙にあっさり殺されちゃう脇の甘さ。不思議だ。寝返って行家殺害に協力した、和田家の奴実内があっさり殺されちゃうのもよく解らん。
奥を語った松香大夫がよかった。
「円覚寺の段」
股五郎母、鳴海を人質に、刀と引き換えに股五郎の引き渡しを求める丹右衛門。実は鳴海と図っていて、鳴海は自害、刀は偽物とすり替えている。正々堂々としているのか、卑怯なのか。
帰り道、城五郎一味に股五郎を奪われ、瀕死の重傷を負う丹右衛門。駆けつけた志津馬も負傷し、この後の沼津に続く。
「唐木政右衛門屋敷の段」
志津馬の姉、お谷の夫、政右衛門は新しい妻をめとり、敵討に参加って、血縁関係にないと助太刀できないの?お谷はお腹のなかに子供までいるのに、かわいそうすぎ。
切が咲太夫。さすがの安定感。
「沼津里の段」「平作内の段」「千本松原の段」
沼津は、正直、歌舞伎のほうがいいかな。平作が荷を担ぐのに四苦八苦するところとか、十兵衛がお米に一目惚れしちゃうくだりとか、あっさり感じた。千本松原で平作が命をかけて股五郎の居所を聞き出すところ、前後のつながりが分かったのでようやく腑に落ちた気分。
平作内の段を語った呂勢大夫は、聴いていて心地よい。
切の住大夫、残念だけど、声に力がない。下手側の座席で出語床から遠かったから余計にそう感じたのかも。
「鶴ヶ岡の段」
敵討ちの原因を作る場面だけど、一言で言って、志津馬、脇甘すぎ。酒に弱いと注意されていながら、なんで酔っ払うよ。主君をお迎えする大事なところに瀬川がやって来る理由もよく分からん。
義太夫は御簾の奥で、人形使いも皆、顔を隠しての演出。仮名手本忠臣蔵の序幕みたいな感じ?
「和田行家屋敷の段」
正宗を狙う股五郎のたくらみを見事見抜いた行家だが、手紙を読んだ隙にあっさり殺されちゃう脇の甘さ。不思議だ。寝返って行家殺害に協力した、和田家の奴実内があっさり殺されちゃうのもよく解らん。
奥を語った松香大夫がよかった。
「円覚寺の段」
股五郎母、鳴海を人質に、刀と引き換えに股五郎の引き渡しを求める丹右衛門。実は鳴海と図っていて、鳴海は自害、刀は偽物とすり替えている。正々堂々としているのか、卑怯なのか。
帰り道、城五郎一味に股五郎を奪われ、瀕死の重傷を負う丹右衛門。駆けつけた志津馬も負傷し、この後の沼津に続く。
「唐木政右衛門屋敷の段」
志津馬の姉、お谷の夫、政右衛門は新しい妻をめとり、敵討に参加って、血縁関係にないと助太刀できないの?お谷はお腹のなかに子供までいるのに、かわいそうすぎ。
切が咲太夫。さすがの安定感。
「沼津里の段」「平作内の段」「千本松原の段」
沼津は、正直、歌舞伎のほうがいいかな。平作が荷を担ぐのに四苦八苦するところとか、十兵衛がお米に一目惚れしちゃうくだりとか、あっさり感じた。千本松原で平作が命をかけて股五郎の居所を聞き出すところ、前後のつながりが分かったのでようやく腑に落ちた気分。
平作内の段を語った呂勢大夫は、聴いていて心地よい。
切の住大夫、残念だけど、声に力がない。下手側の座席で出語床から遠かったから余計にそう感じたのかも。
2013年11月10日日曜日
10月19日 十月花形歌舞伎 昼の部
「大坂純情伝」
女殺油地獄とウエストサイドストーリーを足して二で割ったようなーーということだそうで。やんちゃな若者たち、大店のぼんぼんの天神組と下町の不良、雁金組がいがみ合っているという設定。与兵衛(愛之助)は天神組で、恋人、小菊(新悟)の兄、文三(薪車)が雁金組のリーダー格で…というのだが、チームの対立と与兵衛と小菊という恋人同士の関係がちょっと希薄だったかな。まあ、物語の本筋ではないから、あまり深堀りもできないのだろうけど。大人数での立ち回りが、ミュージカルの群舞のように振付けられていたのが面白かった。あと、花道を登場してくるシーンで、三味線でタンゴを演奏したり。(曲がだんご三兄弟だったのは、初演時の流行りか)
与兵衛が妹思いで、おかち(右近)が廓に売られないようにと金策に奔走したり、淫蕩な母、おさわ(吉弥)への屈折した思いが、お吉(壱太郎)に色目をつかってからかわれたのを引き金に、殺人にいたったりと、与兵衛の性格にいろいろ肉付けしているのだけど、そのせいでかえって、衝動殺人の不条理さがぼやけてしまい、殺しの場のゾッとするような怖さがなかったのが、残念。古典のがよかっただけに、期待していたので余計に。
歌舞伎は難しそう…と、尻込みしているひとには、とっつきやすくていいのかも。実際、リピーターも多いようだし。けど、最後の場、与兵衛が取り手に捕まえられる場面で戸板倒し。前に見た、別の浪花花形歌舞伎でも使っていたけど、軽々しくつかいすぎでは。
「三人連獅子」
父、母、子の3人連獅子。親子のほのぼのした情愛が描かれていて、いつもの連獅子とはまた違う風情。愛之助、壱太郎、吉太郎の息があっていてよろし。毛振りも隈取りでなく、素顔のままなので、引っ込んでから再登場までの時間が短いのもいい。
女殺油地獄とウエストサイドストーリーを足して二で割ったようなーーということだそうで。やんちゃな若者たち、大店のぼんぼんの天神組と下町の不良、雁金組がいがみ合っているという設定。与兵衛(愛之助)は天神組で、恋人、小菊(新悟)の兄、文三(薪車)が雁金組のリーダー格で…というのだが、チームの対立と与兵衛と小菊という恋人同士の関係がちょっと希薄だったかな。まあ、物語の本筋ではないから、あまり深堀りもできないのだろうけど。大人数での立ち回りが、ミュージカルの群舞のように振付けられていたのが面白かった。あと、花道を登場してくるシーンで、三味線でタンゴを演奏したり。(曲がだんご三兄弟だったのは、初演時の流行りか)
与兵衛が妹思いで、おかち(右近)が廓に売られないようにと金策に奔走したり、淫蕩な母、おさわ(吉弥)への屈折した思いが、お吉(壱太郎)に色目をつかってからかわれたのを引き金に、殺人にいたったりと、与兵衛の性格にいろいろ肉付けしているのだけど、そのせいでかえって、衝動殺人の不条理さがぼやけてしまい、殺しの場のゾッとするような怖さがなかったのが、残念。古典のがよかっただけに、期待していたので余計に。
歌舞伎は難しそう…と、尻込みしているひとには、とっつきやすくていいのかも。実際、リピーターも多いようだし。けど、最後の場、与兵衛が取り手に捕まえられる場面で戸板倒し。前に見た、別の浪花花形歌舞伎でも使っていたけど、軽々しくつかいすぎでは。
「三人連獅子」
父、母、子の3人連獅子。親子のほのぼのした情愛が描かれていて、いつもの連獅子とはまた違う風情。愛之助、壱太郎、吉太郎の息があっていてよろし。毛振りも隈取りでなく、素顔のままなので、引っ込んでから再登場までの時間が短いのもいい。
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