2日かけて通しで観た。昼の部は10時半から16時、夜の部は16時半から21時で、休憩がそれぞれ30分しかないから、上演時間は5時間と4時間の超長丁場。疲れたけど、面白かった。何年か前に平成中村座で歌舞伎版のを観たので、話は知っていたけど、まとめて観たので話が分かりやすかったのと、所々演出が違うので、それも面白かった。文楽のほうが、語りが主のせいか、ものがたりが濃かったような気がする。
印象的だったのは、四段目の「判官切腹の段」と「城明渡しの段」。義太夫の語りがなく、三味線の音も最小限のなか、人形の所作だけで話が進んで行くのだが、逆に様々なことが伝わって来るように思った。人が演じる歌舞伎より、無機物の人形の方か、気持ちが凝縮されているような。
「勘平切腹の段」は、勘平役者にフォーカスされる歌舞伎と違って、周りの人達の様子もよく見えるのが、興味深い。ファンタジーな歌舞伎より、ある意味、現実的なのかも。
「一力茶屋の段」は何人もの太夫が入れ替わり立ち替わり、一人一役を演じるのが面白かった。まあ、これだけ登場人物がいたら、1人で声色を変えて演じるのは大変だろうし、聞いているほうも、誰が誰やらわからなくなりそう…。人形の動きは平右衛門がダイナミックで楽しかった。
4日は「山科閑居の段」の後半を演じるはずだった竹本千歳太夫が病欠だったため、豊竹呂勢太夫が代役だったのだが、その前の一力茶屋のおかるも含め、大活躍の感じ。声が明瞭で耳に心地よい。注目したい。
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