2012年6月1日金曜日

5月26日 団菊祭五月大歌舞伎 昼の部

「寺子屋」

海老蔵の武部源蔵はなんか軽いというか、松王丸にばれないように身代わりを仕立てることに一所懸命で、主君への忠義とか、見知らぬ子供に手をかける苦悩とかがあまり感じられなかったような…。戸波は梅枝。3階席から見たせいか、立ち姿が玉三郎に似て見えてびっくり。スラリと細身でうりざね顔というのはいいな。

松王丸は松禄。咳込んだり、体がふらついたりとしんどそう。紫の鉢巻きをしているので病もちなのは知っていたが、こんなにしんどそうに演じるのは初めて見たかも。首実検のところも立ち位置がちがったりと、違う型なので興味深かった。菊之助の女房千代は武家の妻らしいしっかりした雰囲気。


「身代座禅」

菊五郎の右京、団十郎の奥方玉の井という組み合わせは、想像通り。菊五郎の右京は思っていたよりあっさりしてたかな。もっと矯めるかな、と思ったところでテンポよくセリフが進んだり、ちょっと脚本も短かったような。


「封印切」

藤十郎の忠兵衛はいつも通りという感じだが、菊之助の梅川が素晴らしい。けなげで、忠さん一途な感じで、なんともかわいらしいのだ。今までに見た梅川で一番かも。秀太郎に教わったそうだが、上方の雰囲気にも違和感はなかった。

三津五郎の八右衛門は意地悪ないやな奴全開。確か、前回の藤十郎との共演の時はうっかり睡魔に負けてしまったのだが、今回はセリフの応酬を楽しめた。

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