遅刻して幕開きの三番叟は見逃したが、対面風の勢揃いの序幕。二幕はお座敷の場面で、ソーシャルディスタンスを保って長い棒の先に徳利を付けたり、客の間に衝立を立てたり。ウーバーまがいのデリバリーが来たり、女郎花咲役の菊之助を中心にNiziUの縄跳びダンスを披露するなど、世相を取り入れた遊び心で楽しませる。三幕はガラリと変わって、頼光館で大蜘蛛が襲い掛かり、四幕の蜘蛛の精の宙乗りは客席の上でなく舞台上を右へ左へ。時間短縮のため初演時より大幅にカットされているそうだが、必要な要素は盛り込まれている感じで、見応えがあった。
主人公、鳶頭実は渡辺綱の菊五郎をはじめ、女郎実は蜘蛛の精の菊之助、茨木婆実は良門叔母の時蔵、相馬良門の松緑……と多彩な役者が適材適所の好演。
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