2014年12月21日日曜日

12月20日 十二月大歌舞伎 昼の部

「義賢最期」

1月の浅草歌舞伎で観たばかりだけれど、歌舞伎座で初の主役なので。

前半、宵待姫(右近)との親子の情や、葵御前との情愛は良かったのだけど、全体的にちょっと忙しないというか、急いでいるのか、タメが足りないように感じたのが残念。セリフのやり取りが畳み掛けるようだったり、後半、手負いの義賢が花道でバッタリ倒れるところや、最期の仏倒れの前など、もっと、たっぷり観たいと思うところが所々あった。タイムテーブルより3分巻いていたのはそのせいか?

宵待姫の右近は、可愛らしい姫君。これまでの、女形としてはちょっと硬いという印象を覆した。小万の梅枝は上々。たおやかな女はこれまでもあったけど、女武者もきりりとして、ハマる。葵御前の笑也は、前半はいいのだが、最後、多田蔵人に手を引かれて落ちのびるくだりが不自然で、コントみたいだったのが惜しい。

進野次郎の道行(薪車)は、芸風変わった?海老蔵風味の大味で、雑っぽい。

細かい点で、物足りなさはあれど、他の演目を見た後では、これが一番歌舞伎らしくて、見応えがあった。


「幻武蔵」

宮本武蔵を獅童が演じる新作。豊臣秀頼の妻だった千姫に取り憑いた亡霊退治に駆り出され…という設定なので、終始客席が暗くて睡魔が襲うorz 現代劇のようなセリフの応酬なのも眠りを誘った。

淀君や秀頼の亡霊に悩まされる千姫の児太郎は品があって可憐。他は、12月の歌舞伎座でこれをやる意味を含めて、納得感のない芝居だった。
宮本武蔵について、決闘の時刻にわざと遅れて相手を平常心でいられなくさせるのは卑怯というセリフには同感だったけど。

「二人椀久」

玉三郎の松山太夫に海老蔵の椀久。
ビジュアルとしては悪くないのに、動くとなよっとした海老蔵がキモチワルイ。気が触れてしまったのだからと思いつつも、椀久ははんなりしてても、なよなよではないよね。

相手はともあれ、玉三郎はさすがの美しさ。相手が仁左衛門だったら、と思わずにいられない。

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