「御所桜堀川夜討」
弁慶上使の段の中を三輪大夫、切りを英大夫。
弁慶のただ一度の恋、という触れ込みだけど、暗がりで顔も覚えてないって…
「本朝廿四考」
十種香の段を嶋大夫。
嶋大夫は好きだけど、蓑作(実は勝頼)との仲立ちを頼む八重垣姫の可愛さは歌舞伎の時蔵のほうがよかった。あのかわいらしさは、男性には醸し出せないのかも。八重垣姫の人形は蓑助で、思いのあまり積極的になってしまう姫のいじらしさがよかったのだけど。
奥庭狐火の段は呂勢大夫。「翼がほしい、羽がほしい、飛んでいきたい、知らせたい」で終わらず、「逢いたい見たい」とたたみかけるのが切ない。呂勢大夫の美声で語られると、ジンとくる。
人形は勘十郎。冒頭、狐の時は白い着物、舞台裏に引っ込んだわずかな時間に紋付袴に着替えていて、文楽でも早変わりがあるのかと驚いた。赤い着物から、狐が憑いてからの白い着物の人形に一瞬で持ちかえたり、狐に囲まれて幻想的な雰囲気になったりと、見ごたえ十分。
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