2日続けての大阪松竹座。夜の部は仁左衛門を堪能できた。
とはいえ…「三五大切」てこんな話だったっけ…?前に見た時と全然印象が違うんだけど??こんなに陰惨な話をどうして私は、人情話と思っていたのだろうか????
五人殺しの場とか、小万の殺しの場面とか、観たら思い出したけど、タイトルをみただけでは結びつけられなかった…orz。
ともかく!!!今回は源五郎の怨みの深さや執念、冷徹さなんかが物凄く伝わってきて、身震いするほど。仁左衛門の源五郎は、一旦許して帰ったと見せかけて復讐に訪れたり、1年以上も三五郎と小万を追い続けたりと、狂気の様が恐ろしい。そのくせ、小万の生首を胸に抱いて慈しむような表情を見せたり、花道で涙を浮かべたりと、情の深さも見せる。花道横の席だったので、表情がよく見えて、語りかけるように心情が伝わってきた。
なんかでも、この話って、理不尽のオンパレード。皆がやらなくてもいいことをやって不幸になっていくよなぁ…。短気は損気というか、先走らずに周りをよく見ましょうと言いたい!
愛之助は昼とはまた違って、小ずるいけど憎めない、すっきりした色男を好演。江戸弁も違和感はなかったなぁ。出足の、小万といちゃつくところとか、色気も十分(まあ、船上の濡れ場は、もっとやれぃ!と思ったけどww大先輩相手じゃあ、難しいか)
小万の芝雀は、ちょっと幸薄そうな風情が役に合って良かった。隣に座ってた奥様も言ってたけど、孝太郎だったらこうはならなかったかも。
松也の菊乃は昼よりもさらに良し。芝雀よりも全然年下なのに、道理をわきまえた先輩芸者みたいな風情すらあったような。
でもさあ…、あんだけ散々したひとが「さあそうですか」と討ち入に参加してしまうのは腑に落ちない。全てはあんたの思い込みが招いたんでしょうがっ!
2011年2月13日日曜日
2月12日 二月大歌舞伎「彦山権現誓助剣」
全体的に大満足。もちろん仁左衛門が座頭なのだから、面白くないはずはないのだが、期待していた以上に堪能した。
なにより、愛之助の悪役(京極内匠)が良かった。悪いヤツと判っているのに、惚れちゃいそうな、ゾクゾクするような色気を感じた。実は、一幕目では、今ひとつ押しが弱いというか、嫌がるお菊への攻めようが甘くて、悪役としてちょっと物足りなく感じたのだが、なかなかどうして。三幕の殺しの場面なんて、いやらしくてすごく色っぽかった。死んだお菊の顔を覗き込んで、口付けるかってところなんか、凄くドキドキ。
この存在感のまま、四幕の敵討ち(される)ところは、憎たらしい仇ぶり。愛之助は古典的な二枚目はカッコいいのだが、三枚目とか、癖のある役はあんまり良くなくて、得意不得意の差が大きいような気がしていたけど、いい意味で裏切られた。新境地開拓といったところか。
仁左衛門の六助が格好いいのは、予想どおり。実年齢よりかなり若い役を芸で若々しく感じさせるのは勿論なのだが、一瞬、肌艶まで若々しく感じてびっくりした。でもこの舞台、四幕まで主役がでてこないんだよね…。毛谷村だけやるなら、間違いなく六助が主役だけど、通しでやると、仇役の京極内匠のほうが出番も多いし、在感ある。仁左衛門と一応互角に渡り合ったわけで、そういう意味でも、今回の愛之助の健闘には拍手。
あと、子役の子が凄く可愛らしい。化粧のせいもあってか、ちょっと垂れ目で今にも泣きだしそうな顔か何とも愛くるしくて、仕草もかわいいし、客席をつかんでた。途中からは、主役よりも子どもに目が行ってしまうくらい。床に座るところでひっくり返って竹三郎に助けられたり、敵討ちのところでは仁左衛門の手助けで見得をきったりと、役者さん達も眼をかけてあげてる様子が垣間見えて。こんなに印象に残った子役は初めて。
松也の女形は美しく、声もキレイ。ただ、膝を曲げて盗んだ姿が今一つ。ベテランの女形には感じたことないのは姿勢のせいか。いかにも" やってます"という感じで、ちょっと不自然。殺されるところも、海老ぞりは綺麗に決まったのに、その後で横たわるときに膝を立ててしまったのは美しくなかった。身体が堅いのかな?
孝太郎はお園。こういうおきゃんな男勝りの役は似合うので安心して観てられる(苦笑)。六助と判って急に可愛らしくなるところとか、ホント上手いよね。
なにより、愛之助の悪役(京極内匠)が良かった。悪いヤツと判っているのに、惚れちゃいそうな、ゾクゾクするような色気を感じた。実は、一幕目では、今ひとつ押しが弱いというか、嫌がるお菊への攻めようが甘くて、悪役としてちょっと物足りなく感じたのだが、なかなかどうして。三幕の殺しの場面なんて、いやらしくてすごく色っぽかった。死んだお菊の顔を覗き込んで、口付けるかってところなんか、凄くドキドキ。
この存在感のまま、四幕の敵討ち(される)ところは、憎たらしい仇ぶり。愛之助は古典的な二枚目はカッコいいのだが、三枚目とか、癖のある役はあんまり良くなくて、得意不得意の差が大きいような気がしていたけど、いい意味で裏切られた。新境地開拓といったところか。
仁左衛門の六助が格好いいのは、予想どおり。実年齢よりかなり若い役を芸で若々しく感じさせるのは勿論なのだが、一瞬、肌艶まで若々しく感じてびっくりした。でもこの舞台、四幕まで主役がでてこないんだよね…。毛谷村だけやるなら、間違いなく六助が主役だけど、通しでやると、仇役の京極内匠のほうが出番も多いし、在感ある。仁左衛門と一応互角に渡り合ったわけで、そういう意味でも、今回の愛之助の健闘には拍手。
あと、子役の子が凄く可愛らしい。化粧のせいもあってか、ちょっと垂れ目で今にも泣きだしそうな顔か何とも愛くるしくて、仕草もかわいいし、客席をつかんでた。途中からは、主役よりも子どもに目が行ってしまうくらい。床に座るところでひっくり返って竹三郎に助けられたり、敵討ちのところでは仁左衛門の手助けで見得をきったりと、役者さん達も眼をかけてあげてる様子が垣間見えて。こんなに印象に残った子役は初めて。
松也の女形は美しく、声もキレイ。ただ、膝を曲げて盗んだ姿が今一つ。ベテランの女形には感じたことないのは姿勢のせいか。いかにも" やってます"という感じで、ちょっと不自然。殺されるところも、海老ぞりは綺麗に決まったのに、その後で横たわるときに膝を立ててしまったのは美しくなかった。身体が堅いのかな?
孝太郎はお園。こういうおきゃんな男勝りの役は似合うので安心して観てられる(苦笑)。六助と判って急に可愛らしくなるところとか、ホント上手いよね。
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