2013年4月21日日曜日
4月21日 マニュエル•ルグリの新しき世界3
ルグリとオーレリー•デュポンのパートナーシップが素晴らしい。ルグリは前回の来日時にも観たけれど、今回はより素敵に感じた。ベストパートナーなんだなぁ。オーレリーは舞台に出るだけて、気品と華やかさが溢れ出す。やはり生で観てみて良かった。
4月20日 歌舞伎座杮葺落四月大歌舞伎第三部
「盛綱陣屋」
仁左衛門の盛綱がすばらしい。首実検で、高綱の首ではないと気づきながら、小四郎が「父上!」と言うのを不審に思い、からくりを見極めてニヤリとする…という、盛綱の心の動きが、まるでセリフを聞かされているようにつぶさに分かる。その前段でも、高綱が惑わないように、小四郎を死なせるよう未妙に頼むくだりなど、いまの常識からはあり得ない展開なのだが、盛綱の苦悩がつたわってくる。
芝雀の奥方、時蔵の篝火と配役もピタリとはまって、見応えのある一幕だった。
惜しむらくは、小四郎を演じた金太郎。梨園の子だからと期待値を高めてしまったせいか、気持ちが入っていないように感じてしまった。セリフはしっかり入っていたし、所作もちゃんとしているのだけど、何か別のことを考えながら芝居しているように見えてしまったのが残念。いい子役だと、歌舞伎独特の棒読みの台詞でも、うるっとくることあるのだけど、そうはならなかった。
仁左衛門の盛綱がすばらしい。首実検で、高綱の首ではないと気づきながら、小四郎が「父上!」と言うのを不審に思い、からくりを見極めてニヤリとする…という、盛綱の心の動きが、まるでセリフを聞かされているようにつぶさに分かる。その前段でも、高綱が惑わないように、小四郎を死なせるよう未妙に頼むくだりなど、いまの常識からはあり得ない展開なのだが、盛綱の苦悩がつたわってくる。
芝雀の奥方、時蔵の篝火と配役もピタリとはまって、見応えのある一幕だった。
惜しむらくは、小四郎を演じた金太郎。梨園の子だからと期待値を高めてしまったせいか、気持ちが入っていないように感じてしまった。セリフはしっかり入っていたし、所作もちゃんとしているのだけど、何か別のことを考えながら芝居しているように見えてしまったのが残念。いい子役だと、歌舞伎独特の棒読みの台詞でも、うるっとくることあるのだけど、そうはならなかった。
2013年4月15日月曜日
4月13日 四国こんぴら歌舞伎大芝居 第一部
早朝の地震でJRのダイヤが乱れ(でも新幹線はほぼ定刻だったのが凄い)、約20分遅れで会場入り。歌舞伎の公演は定刻通りが原則とはいえ、こういう天災の時はちょっとくらい融通してほしかった…
「鳥辺山心中」
愛之助の半九郎に春猿のお染。美男美女で素敵なのに、冒頭を見逃したので、悲劇にいまいち入り込めなかったのが残念。
いや、いくら男前でも、酒に酔ったうえでの短気の喧嘩で人を殺してしまうような男ってどうなの?思いとどまるチャンスはいくらでもあったでしょうに。源三郎(猿也)がうまく煽るので、「何くそ!」と思う気持ちも分からなくはないのだが。
で、殺してしまったあと、逃げるのは男がすたるとか言っちゃって、切腹か、源三郎の兄、市之助に仇討されるかの2択だとか、妙に潔いのが憎らしい。その冷静な判断力を何故もっと前に発揮しない!と思ってしまう。
「一緒に死なせて」というお染の気持ちも、何だかなあ。初めての男に夢中になるってそういうことなの?親が悲しむって説得されるのを振り切って、というのがいまいち共感しにくい。
お染の先輩遊女、お花の笑三郎がよかった。酸いも甘いも噛み分けた、世なれた女という感じ。右近演じる市之助と、いいカップルではまり役。でも笑三郎のお染を観てみたかったような気もする。
「義経千本桜 川連法眼館の場」
1月の松竹座に続いて、また、という気もしなくもないが、猿之助の当たり役だし、金丸座の空間で観てみるのはまた違った趣かと。客席との距離が近いので、臨場感が高まったのはよかったが、立ち回りなど、動きがちょっと小さく感じたのが残念。狐忠信が欄干を超えて部屋に飛び込んだり、欄干に飛び乗ったりする場面でそう感じた。セットの安定性がよくなかったのかな。
秀太郎の静御前、体調が悪かったのか、登場してすぐの場面で荒い息をしていたり、目をつぶってじっとしていたりしたのが気にかかった。セリフを言う場面ではいつも通りだったのだが。
愛之助の義経は、やや貫禄に欠けるというか、ちょっと女々しく(?)見えた。セリフのない場面で、視線で静への愛情を感じさせるのはよかった。これまで観たものは、あまり、静と義経の間の愛情を感じることがなかったので。
最後、宙乗りで去っていく忠信に観客の視線が集中するなか、ふと舞台を見ると義経と静香が寄り添って忠信を見送っていた。これって、いつも通りの演出?これまで注意して見ていたことがなかったのだけど、いい感じだった。
駿河次郎の月之助を久しぶりに歌舞伎で見たけど、やはりこの人は男前だ。背が高いので、金丸座の舞台では大きすぎるようにも見えたけど。
「鳥辺山心中」
愛之助の半九郎に春猿のお染。美男美女で素敵なのに、冒頭を見逃したので、悲劇にいまいち入り込めなかったのが残念。
いや、いくら男前でも、酒に酔ったうえでの短気の喧嘩で人を殺してしまうような男ってどうなの?思いとどまるチャンスはいくらでもあったでしょうに。源三郎(猿也)がうまく煽るので、「何くそ!」と思う気持ちも分からなくはないのだが。
で、殺してしまったあと、逃げるのは男がすたるとか言っちゃって、切腹か、源三郎の兄、市之助に仇討されるかの2択だとか、妙に潔いのが憎らしい。その冷静な判断力を何故もっと前に発揮しない!と思ってしまう。
「一緒に死なせて」というお染の気持ちも、何だかなあ。初めての男に夢中になるってそういうことなの?親が悲しむって説得されるのを振り切って、というのがいまいち共感しにくい。
お染の先輩遊女、お花の笑三郎がよかった。酸いも甘いも噛み分けた、世なれた女という感じ。右近演じる市之助と、いいカップルではまり役。でも笑三郎のお染を観てみたかったような気もする。
「義経千本桜 川連法眼館の場」
1月の松竹座に続いて、また、という気もしなくもないが、猿之助の当たり役だし、金丸座の空間で観てみるのはまた違った趣かと。客席との距離が近いので、臨場感が高まったのはよかったが、立ち回りなど、動きがちょっと小さく感じたのが残念。狐忠信が欄干を超えて部屋に飛び込んだり、欄干に飛び乗ったりする場面でそう感じた。セットの安定性がよくなかったのかな。
秀太郎の静御前、体調が悪かったのか、登場してすぐの場面で荒い息をしていたり、目をつぶってじっとしていたりしたのが気にかかった。セリフを言う場面ではいつも通りだったのだが。
愛之助の義経は、やや貫禄に欠けるというか、ちょっと女々しく(?)見えた。セリフのない場面で、視線で静への愛情を感じさせるのはよかった。これまで観たものは、あまり、静と義経の間の愛情を感じることがなかったので。
最後、宙乗りで去っていく忠信に観客の視線が集中するなか、ふと舞台を見ると義経と静香が寄り添って忠信を見送っていた。これって、いつも通りの演出?これまで注意して見ていたことがなかったのだけど、いい感じだった。
駿河次郎の月之助を久しぶりに歌舞伎で見たけど、やはりこの人は男前だ。背が高いので、金丸座の舞台では大きすぎるようにも見えたけど。
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