2011年11月23日水曜日

11月19日 吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

「傾城反魂香」

三津五郎の又平と時蔵のおとく。今までみたなかで一番よかったかも。
又平のどもりがくど過ぎず、むしろしゃべれないの?というくらい言葉少なに感じた。名字を許され、着物を貰って喜ぶところが可愛くて、好感をもった。最後までうんざりすることなく見られたのは初めてかも…。
時蔵のおとくもよかった。又平の絵が手水鉢を通り抜けたのを知らせるところとかも、やりすぎでなく、ちょうどいい感じだった。

「道行初音旅」

松緑が忠信、菊之助の静御前で、七世梅幸と二世松緑の追善に2人の孫が踊るという趣向。踊りの名手の2人なので、美しい舞踊を堪能。

「魚屋宗五郎」

菊五郎の宗五郎はさすが。断っていたお酒を飲んで、だんだん酔っ払っていく様とか、やめられなくなって強引に飲みつくしてしまう様子とか、魅せる。
女房のおはまの時蔵との息もぴったり。ただ、芝居はいいのだが、こういう、地味な拵えは、魅力ダウンで残念…。
菊之助のおなぎは美し。松緑の三吉はちょっと出過ぎ?

2011年11月13日日曜日

11月13日 平成中村座十一月大歌舞伎 夜の部

「沼津」

仁左衛門の十兵衛に勘三郎の平作。中村屋はあまり好きではないが、仁左衛門と組んだときは結構よかったので観てみたのだが…。平作が老いぼれのよぼよぼなのはいいのだが、ちょっとばかみたい?
孝太郎のお米はよかったのかな。観ながら、秀太郎さんなら…と想像しちゃったけど。


「弁天娘女男白波」

七之助の弁天は何回目だろう…。こなれてきたかと思いきや、「知らざあ言って…」などの決め台詞がいちいち力みすぎに感じた。しゃべらないでポーズ取ってるだけならきれいなんだけどなあ。
勘太郎の南郷はちょっと悪っぽさが足りない感じ。
橋之助が日本駄衛門、忠信利平が弥十郎だったのだが、以前弥十郎が日本駄衛門をやったときのイメージが強すぎたのか、違和感を感じてしまった。

10月15日 芸術祭十月花形歌舞伎 昼の部

「義賢最期」

愛之助の義賢は2回目。前回は戸板倒しとか、仏倒しとか、大技にばかり目が行っていたけれど、今回は話もよく理解でき、より深く味わえた。
主役の愛之助はもちろん、葵御前の春猿や小万の笑三郎も好演。再び悪役の薪車(進野次郎)もよかった。

「京人形」

右近の左甚五郎に笑也の京人形はらしい配役。笑三郎の女房おとくがよかった。

人形に魂が入って動き出す…というストーリーは芝居らしくていいのだけれど、姫をかくまったり、追手と闘ったりってくだり、要るかなあ。

「江戸っ子繁盛記」

一心太助の歌舞伎版ということだが、ほとんどただの時代劇。
萬屋錦之介の当たり役だったそうだが、獅童の太助はいまいち頼りないというか、いまいちカッコよさに酔えない感じ。

女房お仲の亀次郎はよかった。立役より、こういう、おきゃんな女形のほうが好きだ。

悪役の鳥居甲斐守が愛之助だったが、もっと悪~くやってほしかった。せっかく悪役も素敵にできるのに、ちょっと物足りなかった。