2025年8月3日日曜日

8月3日 京都バレエ団特別公演「アーティスト・スペシャル・ガラ」

「ラ・バヤデール」から2幕の結婚式の場面。ガムザッティを谷桃子バレエ団の光永百花、ソロルを鷲尾佳凛。光永は育ちの良さそうな感じ。鷲尾はサポートがあまり得意でないのか、腰を支えて回転の補助をするところで腰が弾けているように見えた。ソロの踊りはのびのびとしていた。黄金の像はリトル・ドレの役名で金子稔。金色がギラギラしていないせいか、人間らしい踊りに見えた。コールドはバレエ団の団員ら。
「ボレロ」は西島数博。素肌に黒のタキシード?を羽織り、さらにゼブラ柄の薄手のコートという不思議な衣装。自身で振り付けたという踊りは、身体の周りで腕をひらひらさせていて、ボレロのリズムをあまり感じない。暗転する度に証明が変わってスポットライトから範囲が広がっていく。最期は舞台前方から西島の影を舞台後ろに映す演出。 今日の眼目、「ロミオとジュリエット」よりパドドゥはゲスト出演のマチュー・ガニオ。ジュリエット役のエロイーズ・ブルドンも長身でほっそりしたタイプで、ある意味理想的なペア。寝室のパドドゥは、悲しみよりは若い2人の愛に溢れる。

「セーラーダンス」は男性ダンサーばかり6人がテクニックを競い合うよう。 「ロマンシング・フィールド」は堀内充振り付け。男女5組が軽やかに舞う。
「RENCONTRE(出逢い)」はファブリス・ブルジョワ振り付けの新作で10分ほどの小品。ガニオとブルトンが優雅さ。出逢いというタイトルだが、再会のように感じた。

2025年8月2日土曜日

8月2日 横浜バレエフェスティバル 2025 in鎌倉 Aプロ

第1部はジュニアダンサーのバリエーションと若手?による眠りの妖精の踊り。リラの精のバーンズ慈花が他のダンサーより頭一つ長身で、大人と子どもが踊っているよう。なぜか優雅の精が2人。

第2部よりプロのガラ。
「pqehension Bloom」より抜粋を高瀬譜希子。たっぷり生地を使ったローブのようなドレスを、時にたくしあげたり、頭から被ったりと、ドレスのあしらいも振り付けの一部になっていた。

「コッペリア」よりスワニルダのバリエーションを中島耀。少女らしいかわいらしさ。

「眠れる森の美女」のグランパドドゥを影山茉以と奥村康祐。奥村はthe王子といった佇まいで、サポートも完璧。フィッシュダイブに安定感があるし、リフトは優しい。影山も踊りやすそうで、オーロラの幸福感がたっぷり。カーテンコールでカーテンの切れ目が分からずまごつくも、王子の気品を保ったまま姫をエスコートする様子にほっこり。

「DUST-ダスト-」よりパドドゥを高橋絵里奈とジェームズ・ストリーター。第一次世界大戦についての考察だそうで、蛍の光?の音楽に合わせた踊りは庶民の抗いや苦悩を描くよう。仰向けに四つん這いになったストリーターの上に高橋が馬乗りになって動くのは昆虫のように見えた。最後は疲れ打ちひしがれた様子。

第3部
「Ki22」タランテラよりパドドゥを秋山瑛と二山治雄。小柄な二山と華奢な秋山のペアは少年少女のカップルのようで、初々しい駆け引きがチャーミング。とはいえ、踊りはらかなり高難度。

「Core Meu」よりCorriを小池ミモザ。裾の長いブルーのドレスは後ろがより長い。裾を捌きつつの踊りは、高瀬と被るところも。

「ジゼル」2幕よりグランパドドゥを加瀬栞とロレンツォ・ロセッロ。加瀬はテクニックがしっかりしていて、リフトは軽やか。ロセッロは体格が良く、雄々しいアルブレヒト。

「ロミオとジュリエット」より死のパドドゥを津川友利江。シェイクスピアの物語を翻案したプレルジョカージュの振り付けだそうで、ロミオはホームレスの設定でボロボロの衣装。仮死状態のジュリエットを放り投げたりひっくり返したりと、結構乱暴な扱いで、赤いドレスを剥ぎ取り、白い下着姿にした後でナイフ(剃刀?)で腹を切って自害する。ジュリエットをわざわざ白衣にするのだから、血糊でも使うのかと思ったらさにあらず。一方、ロミオの遺体の下で目覚めたジュリエットもアグレッシブで、椅子に腰掛けさせたロミオの体にダイブしては転げ落ち、最期はロミオの腹の上に乗って手首を掻き切る激しさ。