仮想劇場ウイングフィールドで、vimeoを使ったオンラインの上演。
中間管理職のジョーシ(高安美穂)が、問題のある部下アメミヤ(ナカメキョウコ)の突き上げと、上司からの圧力の板挟みになり、追い詰められていくという不条理劇。
別々の場所にいる俳優の姿を白黒に変換して重ねることで、1つの画面上にあるかのように見せる。デフォルメされた姿は、シュールなアニメーションのようで、作品世界に合っていた。音声は別録りだったのかおおむねスムーズだったが、動画は時々フリーズするなど課題あり。人物の位置関係がビミョーにずれたり、サイズ感がいびつだったりするのも、この作品には嵌っていた。
新型コロナ感染症の拡大防止のための緊急事態宣言下で、集まっての稽古も、上演もできないという、特殊な条件下だったが、演劇の新たな挑戦ではあろう。
映像を駆使した作品を手掛けてきたこのカンパニーならではで、他所でもすぐにできるというわけではないだろうが。
そして、HMPの女優陣の達者さ。こんなに不鮮明な映像でも水谷有希の格好良さを再認識。宝塚の男役のような凛々しさ(でもヅカほどわざとらしくない)があるのだ。